#いちやま四姉妹 農家訪問 第2回|「今年の桃の成長は順調です!」桃の木のてっぺんになる絶品の桃「てっぺん桃」の栽培に密着取材

こんにちは。いちやま四姉妹の三女のやまめです。

農家訪問企画2回目となる今回は、有名な桃の産地である山梨県笛吹市一宮町の「丸章青果」様にお伺いさせていただきました。丸章青果様では、初夏から出荷が始まる桃やぶどうなど生産・出荷に加え、秋にはころ柿、冬には干しいもと、ほぼ一年を通していちやまマートへ商品を卸しています。なかでも桃の木のてっぺん付近に実った、色周りよく美味しい希少価値の高い桃、「てっぺん桃」は一度食べたら忘れられない美味しさで毎年大人気の商品です。

有限会社丸章青果 代表取締役 古屋聡一様


商品を直接店舗に納品するから可能になる、一番美味しい状態での出荷

今年の桃はよく当たりで、順調に成長していると語る古屋さん。まず始めに、丸章青果様の魅力について聞かせて頂きました。

古屋さん「うちの果物の一番の売りは、一番に『味』です。」

古屋さんは自信に満ち溢れた様子でおっしゃいました。

古屋さん「創業後、朝果物を収穫し、その後東京の取引先まで商品を輸送するという出荷形態で行っておりました。しかしその流通経路では、商品が店頭に並ぶまでに時間がかかるため果物が完全に熟す前に収穫を行うため、どうしても味の低下が免れませんでした。」

そこで考えたのが、店舗への直接の納品でした。従来の出荷形態では商品が店頭に並ぶまでの時間も考え、完熟前のまだ少し硬い桃の出荷をせざるを得ない状況でした。それを店舗へ直接納品することで、店頭に並ぶまでの時間が大幅に減少し、木の上で完全に熟した一番美味しい状態の桃を素早くお届け出来るようになったのです。

「果物は商品の見た目も大事ですが、まずは味。お客様に一番美味しい状態の果物を召し上がっていただくために、このような出荷形態になりました。」

 

誰が食べても美味しいと思ってもらえるように、糖度の高い桃だけを選別

丸章青果様では、果物の糖度を測る「光センサー」という最新の糖度計を導入し、すべての桃をこの機械で選別しています。従来の光センサーでは、桃の1箇所のみを測定していたので違う部分は糖度が異なり甘みが少ない、ということもありました。しかし、丸章青果様の最新の光センサーは桃の複数の箇所を測定して平均にして数値を出すため、どこを食べても甘い桃だけを選別しています。


気になってお値段を聞いてみた所、まさに目が飛び出るといった価格でとても驚きました。それでもこの機械を導入することには意味があると、古屋さんはおっしゃいました。



古屋さん「うちでは、贈答用の果物詰め合わせのギフトも取り扱っています。ギフトということは、贈る人と受け取る人がいる。もしこのギフトの桃が受け取った方にとって美味しくないと感じられてしまったら、贈った方の顔に対し泥を塗るということになってしまう。

送り主、受け取り主両者に喜んで頂くためには絶対に美味しいものを送らなくてはなりません。なのでこの光センサーはうちにとって欠かせないものなのです。」

 

木のてっぺんで太陽の光を浴びて美味しく育った「てっぺん桃」

丸章青果様の扱う商品の中で、いちやまでも特に人気の高い商品に「てっぺん桃」があります。てっぺん桃は、名前の通り桃の木の枝のてっぺんに実った桃のことで、1本の桃の木からは限られた数しか収穫出来ない、とても希少な桃です。色周りがよく鮮やかな桃色で味も美味しく、いちやまマートでも毎年とても人気の商品となっています。

やまめ「なぜてっぺんになる桃は美味しく育つのでしょうか?」

古屋さん「桃の実を見てみて下さい。今は葉と同じ緑色ですよね。葉と同じように、この実も光合成をしているということです。

木のてっぺんの枝に実った桃は、他の枝や葉に邪魔されず日光に当たることが出来ます。光合成をするとブドウ糖などの糖類が生成され、それらは「転流」と言って葉から実へ送られて行きます。

木のてっぺんで他の葉や枝に邪魔されず日光が当たると、その分ブドウ糖などの糖分が生成されるようになります。

そしてこの「転流」には、昼と夜との寒暖差も関係してきます。昼間暑く、夜は気温が低いほど昼間に生成されたブドウ糖などの糖類が蓄積されます。その結果桃の糖度も上がるようになります。なのでこの畑のある甲府盆地は、寒暖差・日照時間・水はけ、果物づくりにおける3つの要素において最高の土地です。」

こちらのてっぺん桃は、天候や収穫量の影響により一部変更がある場合を除き、いちやまマート全店での販売予定となっております。ぜひ、続報をお楽しみにお待ち下さい!

桃の袋掛け体験

今回は実際に桃の袋掛けの作業も体験させて頂きました!桃の袋掛けは、桃の実を風や日差しから守ったり、傷や割れが出来ないようにするために行います。

袋掛けの作業は少しコツが要りましたが、慣れてくると順調に行えました。ただ、てっぺん桃の枝がなるような枝もあるように、桃の木は想像よりも大きく一番高い枝だと自分の身長よりも二回りほど大きいものもありました。一般的には、作業がしやすいように桃の木を低く育てるようですが、てっぺん桃を育てるためにあえて枝を高く高くなるように育てているのです。高い場所は脚立や高所作業用の機械を使って作業をします。それを何十本もある桃の木に行うのは、なかなか骨の折れる作業だと今回体験させてもらい実感することが出来ました。

苦労することは「収穫作業」

やまめ「桃やぶどうを手広く作っている丸章青果様ですが、その中でも一番苦労されることは何なのでしょうか。」

古屋さん「やはり一番に苦労するのは収穫です。そして収穫で一番大事なのは「見極める」ことです。見た目だけでは、糖度や熟度など完全に判断することが出来ません。そのため、実際に自分で食べてみて味を確認しています。実際に食べてみて美味しいと思ったら、従業員にもその目安を伝えるようにしています。」

今の作業・これからの作業

桃は、今は今日実践してもらった桃の実を風や傷から守る袋掛けの作業などをしています。それが一段落すれば、6月下旬の収穫までは一旦作業は落ち着きます。

ぶどうに関しては、ぶどうの房から花が咲いてきたら、収穫の際の形や大きさを整えるための「房作り」、6月10日頃からぶどう作りにおいて最大の難関、余分な粒を取り除いて残った粒の大きさ粒の数を調整する「摘粒」という作業が始まっていきます。

(2023年5月初旬頃の桃・ぶどうの様子)


最後に古屋さんにこれからの果物づくりへの志を聞かせて頂きました。

古屋さん「これからどんどん農業人口は減って行きます。それに伴い、食べるものも減っていく。その中でもうちは「味」へのこだわりだけは大事にして行きたいと考えています。

桃の収穫が始まると、傷などで商品に出来ない弾かれた桃を残しておいて、後でみんなで一緒に食べるんです。暑い中汗を流しながらの作業ですが、その時に食べる桃が本当に美味しいんです。今度いらっしゃったら、ぜひ味わってみて下さい!」


そう語る古屋さんの表情から、自分たちで作った果物を本当に美味しいと思っているんだ、と自信と熱量が伝わってきました。次回は桃の収穫の時期にお邪魔する予定となっているので、ぜひ丸章青果様の桃を味わってみたいと思いました。成長していく果物たちを見に行くのがとても楽しみです。

古屋さん、今回は本当にありがとうございました!

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